閑話休題

 犬に咬まれたからと云って、記事にはならないが、人間が犬を咬んだら記事になる、と能く云われるのだが、又「マスコミは賤業である」とも云われる。以前、天下のNHKが「中学生日記」にピンク映画に出演していた女優を、使っていた事があった。よっぽどNHK東京中央放送局に、問い質そうと思ったのだが断念した。近年は、NHK鹿児島放送局の女子アナに眼鏡を掛けている子が居たので、放送局のお偉いさんに電話を替わって貰って、「あの子は眼鏡を外した方が良いですヨ」と余計なことを言ったら、すんなりと「眼鏡を外した方が良いですか?」と好意的に云われるので「絶対にその方が良い」と、同調して念を押したら、其の後何年かして、眼鏡を外して東京本社のスポーツ番組に出ているのを見掛けて驚いた事があった。最近は生き~して色んな番組に起用されているようである。先だっては、「NHKのど自慢大会」の司会者に出ていたのにはびっくり仰天した。筆者のアドバイスの所為で、と謂う事ではないが、その活躍振りを観ていると嬉しくなる。是は是・非は非で感じた事を連ねて見たい。

 民放のCMでクライアントが付かない場合は、〝番宣〟を流していると聞いたものだが、最近NHKまでもが民放に見習って、番宣をふんだんに流している。又、FM等では再放送が多すぎるし、ニュースに於ても同じ内容が重複して流される頻度が高くなっているのではないか。そして、特に朝ドラに毎回必ずお笑い芸人を起用するのは、どういう料簡なのか。一方、毎週日曜日早朝五時からの「こころの時代」は欠かさず観ているが、中々見応えがある。斯ういう番組をモット多く放映して貰いたいものだ。只、之も途中から何か以前見たことがあるな、と思ったら数年前の再放送だったりして、興醒めした事が多々あるのだが、これ等も天下のNHKの所作としては如何なものかと思う次第である。

 尚、民放に於ては、往年よりCMの時間が長くなっているのではないかと不審に思う。法規に則った時間を守っているのか疑問を抱いている一人である。又、嘗てはアイドマの法則やパブリシティ(記事広告)と謂う手法があったが、近年は〝ステマ〟(ステルスマーケティング)と謂う人間の深層心理に訴える巧妙な暗示的な技術が横行している。それは、暗喩・暗号・符号・想起・共時性・霊夢・ギミック等を駆使した現実世界に対比する隠実社会を示唆するものであり、カルトやスピ系とは違う、物質が思惟化する世界、思惟が物質化する世界の、ニューパラダイムの思想・哲学に裏付けられた、物心両一の世界を展開するものである。

 又、番組の内容に踏み込めば、KーIみたいな格闘技が頻繁に放映されていたが、最近は観られない。世紀の一戦と云われていた天心と武尊(タケル)やボクシングの井上尚弥の世界バンタム級4王座統一戦も、多くの国民は期待していたのだが、豈図らんやキー局では一切放映されず仕舞いで、ネット有料配信で行われる始末であった。何が言いたいかと云えば、一般国民視聴者が望むもの求めるニーズに応えよという事である。さすれば、自ずから視聴率も上がり、期待する数字が上ると謂うものである。その代表的人気番組が「ポツンと一軒家」であろう。今後、テレビ東京のコンテンツが人気をはくし、在京キー局に勝てる時代が来るやも知れない。今やインターネットの広告宣伝収益費がTVを抜く時代が其処まで来ている。

  • 「一発の銃弾は十万人の動員に勝る」⇒「一本のネット配信は一千万人の動員に勝る」

(43 43' 23)

國乃礎 鹿児島県総連合会

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